【元ネタ検証】マザーグース「ソロモン・グランディ」との関係

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【元ネタ検証】マザーグース「ソロモン・グランディ」との関係
【元ネタ検証】マザーグース「ソロモン・グランディ」との関係
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🎵 【元ネタ検証】マザーグース「ソロモン・グランディ」との関係

「ヒポポタマス」の由来を調べると、英語圏の伝承童謡「Solomon Grundy(ソロモン・グランディ)」にたどり着く。

両者には、曜日ごとに主人公の人生を描くという共通点がある。単に雰囲気が似ているのではなく、誕生から埋葬までの出来事が、ほぼ同じ順番で配置されている。

ソロモン・グランディとは何か

運の悪いヒポポタマス
【画像】運 の 悪い ヒポポタマス 関連ショット

「Solomon Grundy」は、イギリスの伝承童謡として知られる作品だ。

1842年には、民俗学者・古謡収集家のジェームズ・オーチャード・ハリウェルが編纂した『The Nursery Rhymes of England』に収録されている。

この童謡も、一人の男性の一生を月曜日から日曜日までの7日間で表現する。

月曜日に生まれ、火曜日に洗礼を受け、水曜日に結婚。木曜日に病気になり、金曜日に病状が悪化し、土曜日に死亡、日曜日に埋葬される。

最後に主人公の一生が終わったことを告げる構成も、日本語版とよく似ている。

日本語版と英語版の違い

運の悪いヒポポタマス
【写真】運 の 悪い ヒポポタマス 近影・注目カット
曜日ソロモン・グランディヒポポタマス
月曜日誕生誕生
火曜日洗礼学校で優等生になる
水曜日結婚結婚
木曜日病気になる苦しい病気になる
金曜日病状が悪化体が重くなる
土曜日死亡あっさり死亡
日曜日埋葬墓に埋葬

特に注目したいのは、火曜日と金曜日の変更だ。

英語版では火曜日に洗礼を受けるが、日本語版では学校の優等生になる。宗教的な儀式から、子どもにも理解しやすい学校生活の描写へと置き換えられている。

金曜日も同様だ。英語版では病状が悪化するのに対し、日本語版ではカバの体が重くなるという、少しコミカルな表現に変わっている。

この2か所には、日本の子ども向け楽曲としてのアレンジが表れている。

マザーグースは誰が作ったのか

運の悪いヒポポタマス
【資料】運 の 悪い ヒポポタマス 報道・メディア記録

ここでも誤解されやすい点がある。

マザーグースは、特定の一人の作詞家を指す名前ではない。

英語圏で伝承されてきた童謡やわらべ歌をまとめて呼ぶ際に使われる名称であり、作者不詳の作品も数多く含まれる。

アメリカ議会図書館やオックスフォード大学出版局の解説でも、マザーグースとナーサリーライムは密接に結びついた伝承文化として扱われている。個々の作品には、口承で伝わったものや、後世に出版されたものがある。

そのため、「ソロモン・グランディを作ったのはマザーグースという人物」という理解は正しくない。

また、「ヒポポタマス」はソロモン・グランディの歌詞をそのまま日本語に翻訳したものでもない。三輪道彦による日本語詞と小山田暁による作曲のクレジットがあり、物語の骨格を引き継ぎながら、日本語の子ども向け作品として再構成された楽曲と捉えるのが適切だ。

つまり、元ネタとしての関係は非常に強いが、両者は別々の作品として区別する必要がある。

【再注目】『迷家-マヨイガ-』第1話で歌われた理由

「運の悪いヒポポタマス」が再び話題になるきっかけの一つとなったのが、2016年放送のテレビアニメ『迷家-マヨイガ-』だ。

同作は、水島努が監督、岡田麿里がシリーズ構成を担当したオリジナルアニメ。ディオメディアがアニメーション制作を手がけた。

第1話のタイトルは「鉄橋を叩いて渡る」。

物語では、人生をやり直したいと考える若い男女が、納鳴村という謎の場所を目指してバスツアーに参加する。

そのバスの車内で、登場人物たちが突然「運の悪いヒポポタマス」を歌い始める。

公式の第1話あらすじでも、参加者たちが人生に絶望し、新しい人生の始まりに期待を寄せながらバスで移動する設定が説明されている。歌の登場場面については、当時の視聴者による第1話の感想記事でも取り上げられている。

なぜ、この歌が選ばれたのか

ここで重要なのは、アニメの登場人物たちが置かれている状況と、童謡の内容が対照的であることだ。

『迷家』の参加者たちは、過去を捨てて人生をやり直そうとしている。

一方、ヒポポタマスの物語は、誕生から死までを一週間で終えてしまう。しかも、幸福な時期があったとしても、最後には墓に埋められてしまう。

この2つを並べると、次のような対比が生まれる。

- 人生をやり直したい参加者たち: 新しい未来への期待を抱いている。
- ヒポポタマス: 新しい未来を迎える間もなく、人生が終わってしまう。
- バスツアー: 希望を持って進む一方、目的地には不穏な空気が漂っている。

この歌が持つ明るさと残酷さのギャップは、作品のミステリアスな雰囲気とよく重なる。

また、歌の終わりには主人公の人生が完全に終了したことを示す言葉が置かれている。人生をやり直そうとする人々が、死をテーマにした童謡を合唱するという構図自体に、皮肉が感じられる。

もちろん、これが制作スタッフによって明言された演出意図というわけではない。しかし、作品のテーマを踏まえた視聴者側の解釈としては、十分に読み応えがある。

『迷家』で初めて曲を知った人にとっても、昔のポンキッキの楽曲だったと知ることで、作品の選曲が持つ意外性がさらに際立つ。

【運の悪いヒポポタマス】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:運の悪いヒポポタマスの正式な曲名は何ですか?

A1:正式な曲名は「ヒポポタマス」です。のこいのこが歌う楽曲で、冒頭の歌詞に由来して「運の悪いヒポポタマス」と呼ばれています。

Q2:ヒポポタマスの元ネタはソロモン・グランディですか?

A2:はい。英語圏の伝承童謡「Solomon Grundy」と、曜日ごとに誕生から埋葬までを描く構成が共通しています。ただし、日本語版は単純な翻訳ではなく、独自の歌詞にアレンジされています。

Q3:ヒポポタマスは1980年に発売された曲ですか?

A3:はい。1980年4月にキャニオンからシングルとして発売されています。もともとは1979年発売の教育セット『ひろがるせかい』に関連する楽曲でした。

Q4:ヒポポタマスは放送禁止になった曲ですか?

A4:正式な放送禁止曲とするのは正確ではありません。制作関係者の回想では番組で映像をつけて放送されており、公開動画の説明文では、視聴者からかわいそうという意見が多く、ほとんど放送できなかったと紹介されています。

Q5:『迷家-マヨイガ-』の何話で流れますか?

A5:第1話「鉄橋を叩いて渡る」です。納鳴村を目指すバスの車内で登場人物たちが歌う場面があります。

まとめ:運の悪いヒポポタマスは、昔の子ども番組が生んだ異色の童謡

「運の悪いヒポポタマス」は、のこいのこが歌う「ヒポポタマス」の通称であり、1980年4月にシングルとして発売された楽曲だ。

作詞は三輪道彦、作曲は小山田暁。ポンキッキの教育セット向けに制作され、映像をつけて番組でも放送されたという経緯を持つ。

元ネタとされるのは、1842年に収集・出版された記録を持つイギリスの伝承童謡「ソロモン・グランディ」。曜日ごとに一人の人生を描くという共通の構造を持ちながら、日本語版では学校生活やカバの特徴を取り入れた独自の表現に変化している。

また、2016年の『迷家-マヨイガ-』第1話で使用されたことも、この曲の印象的な再登場となった。

【プロの結論】この曲の価値は、明るさと残酷さの絶妙な落差にある

この楽曲を単に「怖い童謡」「トラウマソング」として片付けるのはもったいない。

教育教材から生まれた制作背景、英語圏の伝承童謡とのつながり、曜日を使って人生を極端に短縮する物語構成。そして、子ども向けの明るい音楽に、死という重いテーマを組み合わせた大胆な表現。これらが重なって、ほかにはない個性を生み出している。

曲の背景を知りたいなら、小島豊美の制作回想を読むことが特に有益だ。元ネタを知りたいなら「ソロモン・グランディ」と比較し、アニメでの演出を楽しみたいなら『迷家』第1話を見直すとよい。

一週間で終わるカバの人生。その短い物語は、1980年のレコード発売から40年以上を経た2026年にも、懐かしさと不思議な後味を残している。 (出典: 運 の 悪い ヒポポタマス(Yahoo!ニュース))