【海外組と国内組を比較】2026年のなでしこジャパンは何が変わった?
今回のメンバー構成で目を引くのは、海外クラブでプレーする選手の多さだ。
JFAが9月22日に発表した当初の23人は、海外組22人、国内組1人だった。その後の追加招集や負傷離脱を反映したドイツ戦の実質的な参加メンバー23人では、海外組21人、国内組2人となっている。
海外組の所属先はイングランドに集中
海外組の所属クラブを見ると、イングランドのクラブが特に多い。
マンチェスター・シティには長谷川唯、藤野あおば、山下杏也加が所属。エバートンには北川ひかる、石川璃音、林穂之香が在籍している。
ほかにも、次のようなクラブに日本代表選手が所属している。
- マンチェスター・ユナイテッド:宮澤ひなた
- リバプール:長野風花
- ブライトン:清家貴子
- チェルシー:浜野まいか
- トッテナム:古賀塔子
- クリスタル・パレス:角田楓佳
- バイエルン・ミュンヘン:谷川萌々子
- ユベントス:千葉玲海菜
- ヴェルダー・ブレーメン:島田芽依
- ユタ・ロイヤルズ:三浦成美
- デンバー・サミットFC:山本柚月
- アストン・ビラ:大熊茜、土方麻椰
- レンジャーズFC:大場朱羽
- ノースカロライナ・カレッジ:白垣うの
異なるクラブでプレーすることで、選手はそれぞれ異なる戦術や試合環境を経験する。イングランド、ドイツ、イタリア、アメリカ、スコットランドと、複数のリーグの特徴を代表チームに持ち込めることは強みだ。
国内組の役割も小さくない
国内組として今回の欧州遠征に加わったのは、高橋はなと成宮唯だ。
高橋は三菱重工浦和レッズレディース所属のDF。成宮はINAC神戸レオネッサ所属のMFで、田中美南の負傷離脱に伴って追加招集された。
海外組が多数を占めるからといって、国内組の重要性が低くなるわけではない。
WEリーグで継続的に試合に出場し、国内の戦術環境で実績を積んだ選手が代表に入ることは、チーム内の競争を活性化させる。
また、海外組の負傷やコンディションの問題が発生した場合、国内組がすぐに役割を引き継げる体制も必要になる。
2011年の優勝メンバーと2026年の違い
なでしこジャパンの歴史を振り返ると、2011年のFIFA女子ワールドカップ優勝は最大の転換点だ。
当時のチームには、澤穂希、宮間あや、海堀あゆみらがいた。決勝ではアメリカと2-2で引き分け、PK戦を3-1で制して日本サッカー史上初のFIFA大会制覇を達成した。
澤は大会MVPと得点王を獲得し、チームは日本中から大きな注目を集めた。
一方、2026年の代表は、海外クラブを活動の中心とする選手が圧倒的に多い。
| 比較項目 | 2011年 | 2026年 |
|---|---|---|
| 中心選手 | 澤穂希、宮間あやなど | 長谷川唯、谷川萌々子など |
| 代表の特徴 | 組織力と粘り強さ | 海外での実戦経験と多様な戦術 |
| 国際大会 | FIFA女子W杯優勝 | アジアカップ優勝 |
| 目標 | 世界一の達成 | ブラジル2027で再び世界一 |
過去の優勝メンバーと現在の選手を単純に比較することはできない。サッカーの戦術も選手の育成環境も変化しているからだ。
ただし、世界の強豪クラブで日常的にプレーする選手が増えたことは、現在のなでしこジャパンを理解する重要なポイントだ。
2026年アジア競技大会でも日本は金メダルを獲得
もう一つ見逃せないのが、第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)だ。
なでしこジャパンは10月2日の決勝で朝鮮民主主義人民共和国女子代表と対戦。2-2で90分と延長戦を終え、PK戦を5-3で制した。
これにより、日本は大会3連覇を達成した。
決勝では大場朱羽がGKを務め、PK戦でも相手のキックをセーブ。成宮唯も大会でプレーした選手の一人だ。
ここで注意したいのは、アジア競技大会の代表メンバーと欧州遠征の代表メンバーは、同一ではないという点だ。
9月22日の欧州遠征メンバー発表時点で、狩野監督はアジア競技大会の参加選手を遠征メンバーに含めていなかった。その後、大場と成宮が追加招集されている。
つまり、アジア競技大会で結果を残した選手にも、A代表の欧州遠征に加わる道が開かれていた。
この二つの代表活動を通じて、海外組の主力と国内組を中心とする選手層の両方を強化できたことは、2027年に向けた大きな収穫だ。
【2027年女子ワールドカップへの展望】現在のなでしこジャパンの課題と今後
2026年のなでしこジャパンには、すでにアジア王者としての実績がある。
3月のAFC女子アジアカップではオーストラリアを1-0で破り、2大会ぶり3度目の優勝を達成。これにより、FIFA女子ワールドカップブラジル2027への出場権も獲得した。
日本が世界大会への切符を手にしたことは、2026年の代表活動における大きな成果だ。
新監督・狩野倫久体制の特徴
2026年5月14日、監督就任
育成年代の日本女子代表でも指導経験を持つ指揮官。2027年女子ワールドカップを見据えたチームづくりを進める。
JFAは2026年5月14日、狩野倫久氏のなでしこジャパン監督就任を発表した。
狩野監督は、U-17日本女子代表やU-20日本女子代表などの指導経験を持つ。2023年のアジア競技大会では日本女子代表を優勝に導き、2024年のFIFA U-20女子ワールドカップでは準優勝を経験している。
今回の欧州遠征では、石井正忠コーチも新たにスタッフに加わった。内田篤人コーチ、近賀ゆかりコーチらとともにチームを支える体制となっている。
欧州遠征の結果から見える課題
10月の欧州遠征では、ハイチとドイツという異なるタイプの相手と対戦した。
2026年10月10日(日本時間)
日本 5-1 ハイチ
フランス・サン=トゥアン/Stade Bauer
2026年10月14日(日本時間)
日本 1-2 ドイツ
ドイツ・ブレーメン/Weserstadion
欧州遠征の成績
JFA公式試合結果に基づく
ハイチ戦では5-1で勝利した一方、ドイツ戦では1-2で敗れた。
ドイツ戦の展開は、現在の日本が抱える課題を考えるうえで興味深い。
15分に谷川萌々子のゴールで先制したものの、28分に同点とされ、後半73分に逆転ゴールを許した。
JFAの試合レポートによると、山下杏也加は好セーブを見せ、攻撃面では千葉玲海菜、宮澤ひなた、浜野まいからが途中出場した。
試合後、狩野監督は守備面でハイプレス、ミドルブロック、ローブロックを使い分けられた点を評価。一方で、90分を通したゲームマネジメントが課題として残ったと振り返った。
これは単純に攻撃力や守備力だけの問題ではない。
先制した後に試合の流れをどう管理するか、相手が戦い方を変えたときに日本もどう対応するか。強豪国と互角に戦い、勝ち切るための判断力が問われている。
次の注目試合はブラジル女子代表との2連戦
2026年10月30日時点で、JFAが発表している次の大きな強化試合はブラジル女子代表との2連戦だ。
2026年11月29日(日)
日本対ブラジル
広島/エディオンピースウイング広島
2026年12月5日(土)
日本対ブラジル
岡山/JFE晴れの国スタジアム
ブラジルは世界的な強豪国であり、2027年女子ワールドカップの開催国でもある。
欧州遠征で見つかった課題を修正し、異なるスタイルの強豪国に対してどこまで自分たちのサッカーを表現できるかが注目される。
FIFA女子ワールドカップブラジル2027は、2027年6月24日から7月25日まで開催される予定だ。日本はアジアカップ優勝によって出場権を獲得している。
【女子サッカー日本代表選手】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年10月のなでしこジャパン最新メンバーは何人ですか?
A1:10月のドイツ戦に向けた実質的な参加メンバーは23人です。GK3人、DF6人、MF12人、FW2人という構成です。負傷離脱した選手と追加招集された選手がいるため、9月22日の当初発表とは顔ぶれが異なります。
Q2:女子サッカー日本代表で海外組の中心選手は誰ですか?
A2:長谷川唯、谷川萌々子、藤野あおば、山下杏也加、長野風花、宮澤ひなた、浜野まいかなどが注目選手です。マンチェスター・シティ、バイエルン・ミュンヘン、リバプール、チェルシーなどの海外クラブでプレーしています。
Q3:なでしこジャパンは2027年女子ワールドカップに出場できますか?
A3:はい。2026年3月のAFC女子アジアカップで優勝し、FIFA女子ワールドカップブラジル2027の出場権を獲得しています。
Q4:アジア競技大会のメンバーと欧州遠征のメンバーは同じですか?
A4:同じではありません。別々に招集されたチームですが、大場朱羽や成宮唯のように、アジア競技大会を経て欧州遠征に追加招集された選手もいます。
Q5:2026年のなでしこジャパンの監督は誰ですか?
A5:狩野倫久監督です。2026年5月14日にJFAから正式な監督就任が発表されました。
まとめ:2026年のなでしこジャパンは海外組と新戦力の融合が鍵
2026年10月の女子サッカー日本代表選手を振り返ると、長谷川唯、谷川萌々子、藤野あおば、山下杏也加ら海外組の実力者を中心に、国内組や新たな追加招集選手が加わる構成となっている。
今回の重要ポイントは次の5つだ。
- 10月欧州遠征の当初メンバーは23人で、海外組が22人だった。
- 追加招集や負傷離脱を経て、ドイツ戦の実質的な参加メンバーも23人となった。
- アジア競技大会では日本が3連覇を達成した。
- 2027年女子ワールドカップの出場権はすでに獲得している。
- ブラジルとの11月・12月の連戦が次の重要な強化機会となる。
2011年の世界一を知る世代から、新たな海外組の中心選手へ。なでしこジャパンは選手構成も戦術も変化しながら、再び世界の頂点を目指している。
今後は単に有名選手の名前を追うだけでなく、所属クラブでの成長、代表での起用ポジション、追加招集の背景、強豪国との試合内容を合わせて見ることが大切だ。
2026年10月のなでしこジャパンは、アジア王者としての実績を持ちながら、世界一に向けたチームの完成度を高めている段階にある。 ブラジルとの強化試合、そして2027年のワールドカップで誰が主役になるのか。今後の選手選考からも目が離せない。 (出典: 女子 サッカー 日本 代表 選手(Yahoo!ニュース))