【調査方法を検証】ランキングの集計期間・対象局・除外条件は?
同じ2026年上半期のランキングでも、ニホンモニターとエム・データでは集計期間に違いがある。
この点は、順位の差を読み解くうえで見落とせない。
2026年上半期の集計条件
ニホンモニター
- 発表日:2026年7月1日
- 集計期間:2026年1月1日~6月21日
- 対象局:日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ
- 対象地域:東京地区の民放5局地上波オンエア分
- 集計対象:テレビCMに出演したタレントの起用企業数
エム・データ
- 発表日:2026年7月8日
- 集計期間:2026年1月1日~6月30日
- 対象局:日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ
- 対象地域:東京地区地上波キー局
- 集計対象:テレビCMの放送回数と会社数
両社とも在京民放キー局5局を対象にしているが、ニホンモニターは6月21日まで、エム・データは6月30日までを集計している。つまり、厳密には同じ期間の比較ではない。
どんなCMがランキングから除外される?
ニホンモニターでは、番組宣伝、番組とのコラボCM、CD・DVD・ゲーム・アプリ・楽曲配信、映画CM、ミュージックビデオ内の出演、ナレーションのみの出演などを除外している。
エム・データも独自の除外基準を設けている。映画告知、通販、イベント事業系、放送局系CM、番組宣伝、インフォマーシャル、生CM、ナレーションのみの出演、スポーツ中継映像だけの登場などは対象外だ。
さらに、エム・データは自社で収集・登録した会社名を基準に会社数を集計している。ニホンモニターはグループ企業内で複数の企業が起用した場合、それぞれを1社として数える。
このように、対象期間だけでなく、企業名の扱いや対象CMの定義にも違いがある。
同じ川口春奈なのに17社と18社になる理由
興味深いのが、川口春奈の起用社数だ。
- ニホンモニター:17社
- エム・データ:18社
どちらも2026年上半期の調査だが、結果は1社異なる。
これはランキングの誤りを意味するものではない。調査期間が異なり、企業の登録・集計基準も完全には一致していないためだ。
また、今田美桜については、両社とも16社という結果になっている。一方、大谷翔平はニホンモニターで16社、エム・データの会社数ランキングでは14社となった。
ランキングを正確に比較するなら、同じ調査会社の同じ指標を時系列で追うことが基本となる。 異なる会社の数字をそのまま横並びにして、出演実績が増えた、減ったと判断するのは適切ではない。
【注目タレントを分析】川口春奈・今田美桜・大谷翔平・鈴木亮平の強さ
ランキング上位の顔ぶれには、それぞれ異なる広告上の特徴がある。
川口春奈:幅広い業種から起用される安定型
川口春奈の強みは、複数の業界にまたがる広告出演実績だ。
2026年上半期のニホンモニターの発表では、イーベイ・ジャパン、ENEOS、小田急電鉄、サントリー、JCB、日本製鉄、NEC、はま寿司、森永乳業、ライオンなど17社が並んでいる。
食品や日用品だけでなく、金融、エネルギー、交通、住宅関連など、広告主の業種が幅広い。
2025年年間も21社でトップとなり、年間王者3連覇を達成した。2026年上半期も首位を守っていることから、継続的な企業起用という観点で特に強いタレントだ。
今田美桜:放送回数で圧倒的な存在感
今田美桜は、2026年上半期の放送回数ランキングで13,136回を記録した。
特に注目すべきなのは、2025年年間の13,217回に対して、2026年上半期だけで81回少ない水準まで到達していることだ。
2025年は11月末までの約11か月間、2026年は6月末までの6か月間という違いがあるため、単純な同条件比較はできない。それでも、上半期だけで前年の年間実績に迫った点は際立っている。
AOKI、インディード、キリンビール、コーセーコスメポート、第一生命、任天堂、P&G、ミスタードーナツ、楽天モバイルなど、企業の顔ぶれも幅広い。
企業数でも放送回数でも上位に入る今田美桜は、2026年のCM市場を代表する存在となっている。
大谷翔平:スポーツ界から広告市場のトップ層へ
大谷翔平は、2026年上半期のニホンモニターで16社を獲得し、今田美桜と並ぶ2位だった。
エム・データの会社数ランキングでは14社で男性トップ。放送回数でも7,228回で総合3位に入っている。
起用企業には、ECC、伊藤園、キリンビバレッジ、興和、コーセー、コナミデジタルエンタテインメント、セコム、日本航空、ファミリーマートなどがある。
スポーツ選手の広告価値は、競技成績だけで決まるものではない。競技を知らない人にも認知される知名度や、国際的な発信力、企業のブランドイメージとの親和性なども広告起用を考える際の要素となる。
大谷翔平のランキング実績は、アスリートが俳優やタレントと並んで広告市場の中心を担っていることを示している。
鈴木亮平:放送回数で男性トップを維持
鈴木亮平は、エム・データの2025年年間放送回数ランキングで12,951回を記録し、男性1位となった。
2026年上半期も7,915回で男性トップを維持。総合ランキングでも今田美桜に次ぐ2位に入った。
ニホンモニターの2026年上半期起用社数では12社。アリナミン製薬、キリンビール、日産自動車、東海旅客鉄道、ニチレイフーズ、P&G、リクルートなどが名を連ねる。
つまり、鈴木亮平は企業数だけで突出するタイプというより、実際のCM放送実績で強さを見せるタレントだ。
放送回数ランキングでは、男性俳優の存在感を測る際の重要な比較対象となっている。
新顔の躍進:堂安律・畑芽育・MAHINAにも注目
2026年上半期は、従来の上位常連だけでなく、新たな顔ぶれも目立った。
ニホンモニターの発表では、次のような躍進が紹介されている。
- 堂安律:8社。2025年年間の1社から大きく増加。
- 畑芽育:8社。前年年間の4社から倍増。
- MAHINA(HANA):7社。2025年年間の1社から大きく伸長。
- 津田篤宏(ダイアン):7社。前年年間の6社から増加。
- 佐野勇斗(M!LK):4社。前年年間の3社から増加。
特に堂安律は、スポーツ界からの新たな広告起用の広がりを象徴する存在だ。MAHINAも、デビューからおよそ1年という時期に7社のCMに起用されている。
俳優、スポーツ選手、アイドル、お笑い芸人と、CM市場の顔ぶれが多様化している点も2026年上半期の特徴といえる。
【プロの結論】CM出演ランキングは何を基準に評価すべきか
CMランキングを広告業界の視点で読むとき、重要なのは単純な順位よりも、どの数字が何を表しているかという点だ。
今回の結果から、3つの判断基準が見えてくる。
第一に、起用社数は広告主からの採用の広がりを示す。
複数の業界から起用されるタレントは、異なる商品やサービスの広告に登場できる可能性がある。川口春奈の17社という実績は、その幅広さを読み取る材料になる。
第二に、放送回数は実際のテレビ露出量を示す。
今田美桜の13,136回という数字は、上半期にどれほど頻繁にCMが放送されたかを表している。鈴木亮平の7,915回も、男性タレントの放送実績を評価する重要なデータだ。
第三に、年間と上半期を混同しない。
年間ランキングは上半期の単純な延長ではない。2025年上半期には芦田愛菜が首位だったが、年間では川口春奈が逆転した。この事実だけでも、途中経過と年間結果を区別する必要性が分かる。
ランキングを使う目的によって、見るべき指標は変わる。
- 企業からの幅広い支持を知りたい人:起用社数
- テレビでの露出量を知りたい人:放送回数・秒数
- 年ごとの勢いを知りたい人:同じ調査会社の年間推移
- 広告効果や商品売上を知りたい人:視聴率・販売実績などの別データ
CM出演ランキングは、芸能人の人気を一列に並べた絶対評価ではない。広告主が誰を選び、テレビでどれだけ放送されたかを示す、広告市場の実績データである。
この視点を持てば、異なる調査会社の順位が食い違っていても、数字の意味を正しく理解できる。
【CM出演ランキング】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年上半期のCM起用社数ランキング1位は誰?
A1:ニホンモニターでは川口春奈が17社で単独1位。エム・データの会社数ランキングでは川口春奈が18社で1位となっている。
Q2:2026年上半期のCM放送回数ランキング1位は誰?
A2:今田美桜。エム・データの集計で13,136回を記録し、総合1位となった。男性1位は鈴木亮平の7,915回。
Q3:川口春奈と今田美桜では、どちらがCM出演ランキングで上なの?
A3:指標によって異なる。企業数では川口春奈が上位、放送回数では今田美桜が1位。どちらが上かは、起用社数と放送回数のどちらを評価するかによって変わる。
まとめ:2026年のCM出演ランキングは指標の違いが決め手
2026年上半期のCM出演ランキングでは、川口春奈がニホンモニターの起用社数17社で首位、今田美桜がエム・データの放送回数13,136回で総合首位となった。大谷翔平も起用社数16社、放送回数7,228回と上位に入り、鈴木亮平は放送回数で男性トップを獲得している。
2025年年間でも、川口春奈は起用社数21社、今田美桜は放送回数13,217回でそれぞれトップだった。両者の強さは2026年上半期にも続いている。
ただし、調査期間や企業の数え方、CMの対象範囲は調査会社によって異なる。ランキングを比較する際は、順位だけでなく集計条件まで確認することが欠かせない。
今後の注目点は、2026年下半期に川口春奈が起用社数の首位を守るのか、今田美桜が放送回数で連覇を達成するのかという点だ。大谷翔平や鈴木亮平、堂安律らの動向も含め、年間ランキングの発表が待たれる。
2026年のCM市場を正しく理解するなら、起用社数と放送回数の両方を追うことが最も確かな判断基準となる。
主な資料:ニホンモニター「2026上半期タレントCM起用社数ランキング」「2025タレントCM起用社数ランキング」、エム・データ「2026年上半期TV-CMタレントランキング」「2025年TV-CMタレントランキング」 (出典: cm 出演 ランキング(Yahoo!ニュース))