平野レミの牛トマはなぜ愛される?材料・作り方と1985年の秘話、令和版の違いを徹底解説
料理愛好家・平野レミさんの代表的な家庭料理「牛トマ」。牛肉と完熟トマトを組み合わせたシンプルな料理ですが、平野家に代々伝わる味であり、1985年にNHKの「きょうの料理」へ初出演した際に披露した思い出深い一品でもあります。牛肉を先に湯通しする調理法、トマトの湯むき、バジルやサワークリームの組み合わせなど、簡単ながらおいしく仕上げる工夫が詰まっています。
2026年現在、NHKエデュケーショナルの「みんなのきょうの料理」には平野レミさんの牛トマのレシピが掲載されています。また、2021年にはNHK「ごごナマ」で「牛トマ 令和バージョン」も紹介されました。材料の分量から具体的な作り方、平野家伝来の由来、トマト缶での代用方法まで、複数のレシピを比較しながら詳しく解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- レシピの基本:牛肩ロース肉200gと完熟トマト500gを使う、平野レミさんの定番家庭料理。
- おいしさの秘訣:牛肉を先に湯通しし、同じ湯でトマトを湯むきする。仕上げにバジルとサワークリームを添える。
- 歴史と進化:1985年の「きょうの料理」初出演で披露された料理。2021年には令和バージョンとして再登場した。
【平野レミの牛トマとは?】祖父から受け継いだ平野家伝来の家庭料理
牛トマは、牛肉とトマトを合わせて作る平野レミさんの家庭料理です。材料はシンプルですが、トマトのうまみを生かしたソースと牛肉の組み合わせが特徴。白いご飯はもちろん、パスタにもよく合います。
NHKエデュケーショナルの「みんなのきょうの料理」でも、平野レミさんの代名詞ともいえる平野家の定番メニューとして紹介されています。料理の完成形は、牛肉とトマトを炒め合わせ、バジルを加えたもの。仕上げにサワークリームを添えることで、家庭料理でありながら華やかな一皿になります。
牛トマの由来は祖父の好物だったこと
牛トマのルーツについては、平野レミさん自身が2026年1月に「婦人公論.jp」に掲載された著書『平野レミ大百花』の抜粋で語っています。
その回想によると、この料理は祖父のブイが好きだったもの。父親の平野威馬雄さんも好んでおり、母親が家庭でよく作っていたそうです。
つまり、牛トマは平野レミさんが一から考案した新作料理ではなく、祖父から父、そして母の台所を通じて受け継がれた家庭の味です。
平野家では、特別な調理技術を必要とする料理というより、身近な食材を使って手早く作れる日常の一品として親しまれてきました。平野レミさんが料理愛好家として紹介する料理の特徴にも、この家庭的な発想が表れています。
ご飯にもパスタにも合う理由
牛トマのおいしさを支えるのは、完熟トマトから生まれる濃厚なうまみです。
トマトを加熱すると果肉が崩れ、牛肉とオリーブ油に絡むソース状になります。牛肉の風味とトマトの酸味が合わさるため、ご飯にかけても、パスタに絡めても楽しめます。
さらに、バジルの香りが全体を引き締め、サワークリームを添えれば酸味とクリーミーさが加わります。シンプルな材料でも味に変化をつけられることが、牛トマの魅力です。
【牛トマの材料と分量】牛肩ロース肉200g・完熟トマト500gが基本
牛トマを初めて作るなら、NHKエデュケーショナル「みんなのきょうの料理」に掲載されている平野レミさんのレシピが参考になります。
掲載されている分量は3~4人分です。牛肉とトマトを中心に、オリーブ油、ハーブ塩、バジル、サワークリーム、黒こしょうを使用します。
牛トマの材料一覧(3~4人分)
- 牛肩ロース肉(薄切り):200g
- 完熟トマト:500g
- オリーブ油:大さじ1
- ハーブ塩:小さじ1強
- バジルの葉(中):10枚
- サワークリーム:適量
- 黒こしょう:少々
材料選びで失敗しない3つのポイント
1. 牛肉は薄切りの肩ロースを選ぶ
牛肩ロース肉は、適度な脂と肉のうまみを楽しめる部位です。しゃぶしゃぶ用や薄切りタイプなら、短時間で火を通しやすく、トマトソースともよくなじみます。厚い焼肉用の肉よりも、薄切り肉がレシピに適しています。
2. トマトは完熟したものを使う
牛トマではトマトがソースの主役になります。赤く熟したトマトを選ぶと、加熱した際に甘みとうまみが出やすくなります。酸味が強いトマトを使う場合は、味見をしながら調整するのがポイントです。
3. バジルとサワークリームは省略せず試したい
バジルは仕上げにちぎって加えることで、爽やかな香りを生かせます。サワークリームは食べる直前に添えるのが基本です。トマトの酸味と牛肉のコクにクリーミーな風味が加わり、味わいが変化します。
【牛トマの作り方】牛肉を先に湯通しする公式レシピの5ステップ
牛トマは、フライパンで牛肉を炒めてからトマトを加える料理だと思われがちですが、現在の「みんなのきょうの料理」に掲載されているレシピでは、牛肉を先に湯通しするのが特徴です。
牛肉を軽く湯がいた後、同じ湯を使ってトマトを湯むきします。鍋を使い回せるため、調理器具を増やさずに済むのも合理的なポイントです。
STEP1:牛肉とトマトを準備する
牛肩ロース肉200gは食べやすい大きさに切ります。トマト500gはヘタを取り除いておきます。
牛肉が大きすぎると食べにくくなるため、一口大を目安にするとよいでしょう。
STEP2:牛肉を先に湯通しする
鍋に湯を沸かし、牛肉をサッと湯がいて引き上げます。
ここで大切なのは、牛肉を長時間ゆで続けないこと。平野レミさんの公式レシピでは、牛肉を軽く湯がいてから取り出す手順になっています。
公式レシピを紹介する「remy」でも、肉をしゃぶしゃぶして先に火を通すことで余計な脂を落とし、肉が硬くなりにくいと説明されています。
STEP3:同じ湯で完熟トマトを湯むきする
牛肉を取り出したら、同じ鍋の湯を使ってトマトを湯むきします。
湯むきが終わったら、残った湯を捨てます。トマトの皮を取り除くことで、仕上がりの口当たりがなめらかになります。
STEP4:トマトを炒めて牛肉を戻す
湯を捨てた鍋にオリーブ油大さじ1を熱し、トマトを加えます。ヘラで切るようにしながら炒め、果肉を崩していきます。
トマトに火が通ってソース状になってきたら、先ほど湯がいた牛肉を戻し入れます。ハーブ塩小さじ1強で味を調え、バジルをちぎって加えます。
バジルは包丁で細かく刻むよりも、手でちぎって加えると香りを生かしやすくなります。
STEP5:サワークリームと黒こしょうで仕上げる
器に盛り付け、サワークリームを添えます。最後に黒こしょうを少々ふれば完成です。
サワークリームは鍋の中で煮込まず、盛り付け後に添えるのがポイント。トマトのソースと混ぜながら食べると、酸味とまろやかさの両方を楽しめます。
【1985年のきょうの料理】牛トマ初披露とトマトを手でつぶした逸話
牛トマを語るうえで欠かせないのが、1985年のNHK「きょうの料理」初出演です。
平野レミさんは1985年6月、同番組に講師として初登場しました。このとき紹介したのが、平野家に伝わる牛トマです。番組での料理タイトルは「レミ風トマトいため」として記録されています。
完熟トマトを手で握りつぶして視聴者が驚いた
初出演時、平野レミさんは完熟トマトを包丁で切るのではなく、手で握りつぶして鍋に入れるという調理法を披露しました。
当時の料理番組では、丁寧で上品な調理スタイルが一般的でした。そのため、手でトマトを豪快につぶす姿は視聴者に大きな驚きを与えたといいます。
放送後には「品がない」「NHKらしくない」といった抗議の電話やハガキが届いたことが、平野さんの回想で明かされています。
2026年1月掲載の『婦人公論.jp』の記事では、当時NHKのチーフディレクターだった若山慧子さんの証言も紹介されています。若山さんによると、机の上に約3センチの厚さになるほどクレームのハガキが届いたこともあったそうです。
一方で、料理を作ることが好きでたまらない気持ちや、家庭料理ならではの発想を評価する声もありました。番組側は平野さんの出演を継続し、新聞にも共感する読者の投書が掲載されたといいます。
手でつぶすのは単なるパフォーマンスではなかった
トマトを手でつぶす方法には、調理上の理由もあります。
平野さんは、手でつぶしたトマトは包丁で切ったものより断面が不規則になり、味が染み込みやすくなるという考えを紹介しています。
2024年の文春オンラインの記事でも、この調理法について取り上げられています。単に視聴者を驚かせるための演出ではなく、家庭で実践してきた合理的な方法だったというわけです。
現在のNHK掲載レシピでは、トマトを湯むきしてヘラで切りながら炒める方法が採用されています。つまり、1985年当時の手でつぶすスタイルと、現在のレシピの手順は同じではありません。
【牛トマ令和バージョン】2021年のアレンジと従来レシピの違い
牛トマは1985年の初出演時だけの料理ではありません。2021年3月16日放送のNHK「ごごナマ」では、「牛トマ 令和バージョン」として改めて紹介されました。
この放送は、同番組の火曜日コーナーの最終回でもありました。平野レミさんが4年間にわたって紹介してきた料理を振り返る中で、最後の料理として牛トマが選ばれたことも印象的です。
令和版の材料は2~3人分
2021年の令和バージョンでは、牛肩ロース肉のしゃぶしゃぶ用を使用しています。材料の基本構成は従来の牛トマと共通していますが、バジルの分量や肉の表記などに違いがあります。
2021年の番組レシピを掲載した記録によると、材料は次のとおりです。
- 牛肩ロース肉(しゃぶしゃぶ用):200g
- 完熟トマト:500g
- オリーブ油:大さじ1
- ハーブ塩:小さじ1強
- バジル:3枝分
- サワークリーム:適量
- 黒こしょう:少々
作り方は、牛肉を食べやすく切り、沸騰した湯でしゃぶしゃぶして取り出します。同じ湯でトマトを湯むきし、湯を捨ててからオリーブ油でトマトを炒めます。最後に牛肉とハーブ塩、バジルを加え、サワークリームと黒こしょうで仕上げます。
1985年・2021年・2023年のレシピを比較
牛トマは基本の組み合わせを守りながら、時代や紹介する媒体によって調理方法や分量の表現が変化しています。
| 時期・レシピ | 主な特徴 | 材料・分量のポイント |
|---|---|---|
| 1985年・初出演時 | 牛肉を軽く炒め、完熟トマトを加えて煮崩し、肉を戻す。トマトを手でつぶす調理法が話題に。 | 平野さんの回想では約3分で作る簡単料理。現在の掲載レシピと同じ分量ではない。 |
| 2021年・令和バージョン | 牛肉を先にしゃぶしゃぶし、同じ湯でトマトを湯むきする。 | 2~3人分。牛肩ロース肉200g、トマト500g、バジル3枝分。 |
| 2023年・NHK掲載レシピ | 牛肉を湯がいてからトマトを湯むきし、同じ鍋で炒め合わせる。 | 3~4人分。牛肩ロース肉200g、トマト500g、バジル10枚。 |
比較すると、1985年の初出演時は牛肉を軽く炒めてからトマトを加える調理法だったのに対し、令和版では牛肉を先に湯通しする手順が明確になっています。
また、2021年版と2023年のNHK掲載レシピでは、バジルの分量が3枝分と10枚で異なります。ただし、どちらも香りを生かすために最後の段階で加える点は共通しています。
大切なのは、令和版をまったく別の料理として捉えるのではなく、平野家伝来の味を残しながら、肉の下処理や分量を整理したレシピとして理解することです。
【トマト缶でも作れる?】完熟トマトがない場合の代用方法
牛トマを作ろうと思っても、完熟トマトが手元にないことはあります。そんなときに便利なのがトマト缶です。
平野レミさんの公式レシピサイト「remy」では、完熟トマトがない場合、400gのトマト缶でも代用できると案内されています。
トマト缶を使う場合のポイント
トマト缶を使用するなら、ホールトマトタイプが使いやすいでしょう。缶詰のトマトはすでに皮が取り除かれている商品が多いため、生トマトのような湯むきの工程を省略できます。
作る際は、次のように手順を調整します。
- 牛肉は湯通しして取り出す。
- 生トマトの湯むき工程は省略する。
- 鍋の湯を捨ててオリーブ油を熱する。
- トマト缶400gを加えて加熱する。
- 牛肉を戻し、塩こしょうやバジルで味を調える。
- サワークリームを添えて完成。
酸味が強いときは砂糖で調整
トマト缶は商品によって酸味や甘みが異なります。平野レミさんのremy公式レシピでは、トマトの甘みが足りない場合に砂糖を加える方法も紹介されています。
砂糖は最初から多く入れるのではなく、加熱後に味見をして少量ずつ加えると調整しやすくなります。
なお、トマト缶は生の完熟トマトと水分量や風味が異なるため、まったく同じ仕上がりになるわけではありません。それでも、材料をそろえにくいときの実用的な代用方法として十分に活用できます。
牛トマに向いている人・アレンジをおすすめしにくい人
牛トマがおすすめなのは、次のような人です。
- 短時間で牛肉を使った主菜を作りたい人
- トマトの酸味とうまみを楽しみたい人
- 白いご飯にもパスタにも合う料理を探している人
- 少ない材料で家族向けの料理を作りたい人
- 平野レミさんの家庭料理を再現してみたい人
一方、次のような場合は調整が必要です。
- トマトの酸味が苦手な人は、砂糖などで味を調整する。
- 脂身の少ない肉が好みなら、赤身寄りの薄切り肉を選ぶ。
- 乳製品を避けている人は、サワークリームを省略する。
- バジルの香りが苦手な人は、量を減らして仕上げる。
最初は公式レシピどおりに作り、次回から自分や家族の好みに合わせると、牛トマ本来の味を理解したうえでアレンジできます。
【平野レミ牛トマ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:平野レミさんの牛トマは何人分で、材料の分量はどれくらいですか?
A1:NHKエデュケーショナル「みんなのきょうの料理」に掲載されたレシピは3~4人分です。牛肩ロース肉200g、完熟トマト500g、オリーブ油大さじ1、ハーブ塩小さじ1強、バジル10枚、サワークリーム適量、黒こしょう少々を使用します。
Q2:牛トマは牛肉とトマトのどちらを先に調理しますか?
A2:現在のNHK掲載レシピでは、牛肉を先にサッと湯がいて取り出し、同じ湯でトマトを湯むきします。その後、オリーブ油でトマトを炒め、牛肉を戻して仕上げます。
Q3:完熟トマトの代わりにトマト缶を使えますか?
A3:使えます。平野レミさんの公式レシピサイト「remy」では、完熟トマトがない場合に400gのトマト缶で代用できると紹介されています。トマトの甘みが足りない場合は、砂糖を少量加えて調整できます。
Q4:牛トマの由来は何ですか?
A4:平野レミさんによると、祖父のブイが好きだった料理で、父親の平野威馬雄さんも好み、母親がよく作っていたそうです。平野家に代々伝わる家庭料理として受け継がれてきました。
Q5:牛トマの令和バージョンはいつ紹介されましたか?
A5:2021年3月16日放送のNHK「ごごナマ」で紹介されました。牛肩ロース肉のしゃぶしゃぶ用200g、完熟トマト500gなどを使用し、バジルは3枝分とするレシピです。
まとめ:牛トマは平野レミの家庭料理の原点を伝える一品
平野レミさんの牛トマは、牛肉と完熟トマトという身近な食材から作れる、平野家伝来の家庭料理です。祖父の好物として受け継がれ、1985年のNHK「きょうの料理」初出演で披露されたことをきっかけに、多くの人に知られるようになりました。
現在のNHK掲載レシピでは、牛肩ロース肉200gと完熟トマト500gを基本に、牛肉を先に湯通しし、同じ湯でトマトを湯むきする手順が採用されています。仕上げにバジル、サワークリーム、黒こしょうを組み合わせることで、シンプルながら奥行きのある味わいになります。
また、2021年の「牛トマ 令和バージョン」では、しゃぶしゃぶ用の牛肉を使った調理方法が紹介され、2023年のNHK掲載レシピにも湯通しの工程が受け継がれています。完熟トマトがなければ、remyが案内する400gのトマト缶による代用も可能です。
牛トマの魅力は、豪華な材料や複雑な技術に頼らず、家庭にある食材を生かしておいしい料理を作るという発想にあります。まずは基本の分量と手順を守って作り、バジルやサワークリームの量を好みに合わせて調整してみてください。1985年から受け継がれてきた平野レミさんの家庭の味を、毎日の食卓で楽しめます。
主な取材・参照資料: NHKエデュケーショナル「みんなのきょうの料理」、平野レミ公式レシピサイト「remy」、2026年1月14日付「婦人公論.jp」、文春オンライン、2021年3月16日付「デイリースポーツ」。
(出典: 平野 レミ 牛 トマ(Yahoo!ニュース))