専業主婦の年金はずるい?第3号制度の仕組みと2026年の最新動向、2028年改正を徹底解説
「専業主婦は自分で年金保険料を払っていないのに、老後は年金を受け取れるのはずるい」「共働き世帯や自営業者は毎月保険料を負担しているのに、不公平ではないか」。こうした疑問の中心にあるのが、国民年金の第3号被保険者制度です。
実際、第3号被保険者は本人が国民年金保険料を直接納めなくても、原則として保険料納付済期間として扱われ、老後には老齢基礎年金を受け取れます。一方、2026年には制度のあり方を検討する専門会議が始まり、2028年4月には遺族厚生年金の大幅な見直しも予定されています。専業主婦の年金をめぐる環境は、確実に変化し始めています。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:第3号被保険者は本人の直接的な保険料負担なしで老齢基礎年金を受け取れるが、財源は厚生年金制度全体で負担している。
- 要点2:原則として年収130万円未満などの扶養条件があり、自営業者の配偶者は原則として第3号になれない。
- 要点3:2026年10月時点で第3号制度の廃止日は決まっていない。9月に厚生労働省の検討会が始まり、2028年4月には遺族厚生年金の改正が予定されている。
【なぜ専業主婦の年金はずるいと言われる?不公平感の正体】
専業主婦の年金に対する不公平感は、単に働いているか、働いていないかという問題ではありません。大きな原因は、世帯によって国民年金保険料の負担方法が異なる一方、老齢基礎年金の受給資格が確保される仕組みにあります。
保険料を直接払わなくても年金が受け取れる
日本の公的年金制度では、20歳以上60歳未満の人を中心に、加入状況に応じて第1号・第2号・第3号被保険者に分類しています。
会社員や公務員に扶養される配偶者が一定の条件を満たすと、第3号被保険者になります。この場合、本人が国民年金保険料を個別に納付する必要はありません。
それにもかかわらず、第3号被保険者として認められた期間は、老齢基礎年金の計算上、保険料納付済期間として扱われます。つまり、保険料を直接納めていない期間も、将来の年金額に反映されるのです。
一方、自営業者やフリーランス、会社員の扶養に入っていないパート勤務者などは、原則として国民年金の第1号被保険者となり、自分で保険料を支払います。
この違いが、同じように収入が少ない人でも、配偶者の働き方によって保険料負担が変わるという不公平感につながっています。
共働き世帯には保険料負担が2人分発生する
共働き世帯で夫婦双方が会社の厚生年金に加入している場合、原則としてそれぞれの給与に応じた厚生年金保険料が発生します。
一方、片働き世帯では、会社員の配偶者が厚生年金に加入し、扶養される側は第3号被保険者として扱われます。扶養される側には個別の国民年金保険料が請求されません。
世帯単位で見ると、共働き世帯は2人分の給与を基準に保険料を負担するのに対し、片働き世帯では主に1人の給与を基準に保険料を負担する構造です。
ただし、共働き世帯は夫婦それぞれに老齢厚生年金が上乗せされる可能性があり、単純に保険料の支払いだけで損得を判断することはできません。
自営業者の配偶者には第3号制度が適用されない
不公平感を強く感じやすいのが、自営業者やフリーランスの家庭です。
例えば、夫が会社員で妻が専業主婦の場合、妻は条件を満たせば第3号被保険者になれます。しかし、夫が自営業者で妻が専業主婦の場合、妻は原則として第3号被保険者になれません。
自営業者は国民年金の第1号被保険者であり、厚生年金の第2号被保険者ではないためです。そのため、収入のない配偶者でも、原則として第1号被保険者として国民年金保険料を負担します。
同じ専業主婦という立場でも、配偶者が会社員なのか自営業者なのかによって、保険料負担に大きな違いが生まれるのです。
【第3号被保険者制度の仕組み】年収130万円未満なら誰でも対象?
第3号被保険者制度は、1985年の年金制度改正によって導入され、1986年4月から実施されました。
制度導入の背景には、会社員などに扶養されている配偶者の年金権を確立するという目的がありました。それ以前は、被用者年金に加入する人の配偶者が国民年金に任意加入する仕組みが基本であり、加入していなければ、自分名義の老齢年金や障害年金を確保できない問題がありました。
第3号被保険者になるための主な条件
2026年10月時点で、第3号被保険者になるためには、主に次の条件を満たす必要があります。
- 20歳以上60歳未満であること。
- 厚生年金に加入している第2号被保険者の配偶者であること。
- 原則として日本国内に住所を有すること。
- 年間収入が原則130万円未満であること。
- 原則として配偶者の年間収入の2分の1未満であることなど、生計維持関係の条件を満たすこと。
- 本人が勤務先の社会保険の加入対象になっていないこと。
重要なのは、年収130万円未満であれば自動的に第3号被保険者になれるわけではないという点です。
配偶者が自営業者であれば、本人に収入がなくても第3号被保険者にはなれません。また、本人が勤務先の厚生年金加入条件を満たす場合は、130万円未満でも第2号被保険者として加入することになります。
130万円の壁と106万円の壁は何が違う?
扶養と社会保険を考える際に混同されやすいのが、いわゆる106万円の壁と130万円の壁です。
106万円の壁は、短時間労働者が勤務先の社会保険に加入する際に関係していた月額賃金8万8,000円の要件を、年収換算した呼び方です。
しかし、2026年10月1日から、短時間労働者に適用されていた月額8万8,000円以上という賃金要件は撤廃されました。
2026年10月現在、従業員51人以上の企業などで働く短時間労働者は、原則として週の所定労働時間20時間以上、学生ではないことなどの条件を満たせば、賃金要件にかかわらず社会保険の加入対象になります。
一方、130万円の壁は、配偶者の健康保険の被扶養者認定や第3号被保険者の資格に関係する収入基準です。106万円の壁に関する賃金要件が撤廃されても、130万円の扶養基準が同時になくなったわけではありません。
さらに、勤務先の企業規模要件も2027年以降、段階的に縮小され、2035年10月には撤廃される予定です。
つまり、今後は年収だけでなく、勤務先の規模や週の労働時間によっても社会保険への加入判断が変わります。
保険料を払わずに年金を受け取れる理由
第3号被保険者の保険料が本人に請求されないのは、厚生年金保険制度全体で必要な費用を負担する仕組みになっているためです。
厚生労働省の制度説明によると、第3号被保険者の基礎年金に必要な費用は、配偶者が加入する厚生年金の財政から拠出されます。
ここで誤解してはいけないのが、夫の給与から妻の国民年金保険料が別途天引きされているわけではないということです。
第3号被保険者に関係する費用は、厚生年金制度全体で負担する仕組みです。制度上は、被扶養配偶者も保険料を共同して負担したものとする考え方が採用されています。
したがって、「専業主婦は完全に無料で年金をもらっている」という表現は、本人の直接負担という意味では一面の事実ですが、社会保障制度全体の財源という観点では正確ではありません。
【専業主婦と共働き・自営業世帯の年金比較】負担と受給額はどう違う?
第3号被保険者制度の不公平感を理解するには、世帯ごとの保険料負担と老後の年金給付を比較する必要があります。
特に重要なのは、国民年金と厚生年金の違いです。国民年金は老齢基礎年金を中心とする制度であり、厚生年金に加入している会社員や公務員は、老齢基礎年金に加えて、給与や加入期間に応じた老齢厚生年金を受け取ります。
3つの世帯モデルを比較
| 世帯のタイプ | 保険料の負担 | 老後の年金 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 会社員+専業主婦 | 会社員が厚生年金保険料を労使折半で負担。配偶者本人の個別負担なし | 会社員は基礎年金+厚生年金。配偶者は基礎年金 | 第3号制度の対象になり得る |
| 会社員+会社員 | 夫婦それぞれの給与に応じて厚生年金保険料を負担 | 夫婦それぞれが基礎年金+厚生年金 | 2人分の厚生年金が形成される |
| 自営業者+専業主婦 | 夫婦それぞれが原則として国民年金保険料を負担 | 夫婦それぞれが基礎年金 | 第3号制度は原則適用されない |
この比較から分かるように、会社員と専業主婦の世帯は、配偶者の国民年金保険料を個別に支払う必要がないという点で有利です。
一方、共働き世帯では、夫婦それぞれが厚生年金に加入することで、将来の老齢厚生年金を積み上げられます。現役時代の保険料負担は増えますが、老後の受給額も増える可能性があります。
自営業者世帯の場合は、会社員世帯のような第3号被保険者制度がないため、配偶者の保険料負担も考慮しなければなりません。
厚生年金と国民年金の保険料の違い
2026年度の国民年金保険料は、月額17,920円です。第1号被保険者は、原則としてこの金額を毎月納付します。
年間に換算すると215,040円です。夫婦2人がともに第1号被保険者であれば、単純計算で年間430,080円の保険料負担になります。
一方、厚生年金の保険料率は18.3%で、原則として会社と従業員が半分ずつ負担します。本人負担は標準報酬月額や賞与の合計額に対して9.15%です。
つまり、会社員は給与に比例して保険料を負担する一方、自営業者などの第1号被保険者は定額の保険料を負担する仕組みです。
この違いが、同じような世帯収入でも、職業や配偶者の加入状況によって社会保険料の負担が異なる理由になっています。
【2026年最新】第3号被保険者制度の廃止はいつから?政府の検討状況
2026年10月29日現在、第3号被保険者制度の廃止日は決まっていません。
ただし、制度の見直しに向けた動きは具体化しています。特に注目されるのが、厚生労働省が設置した「国民年金第3号被保険者制度等に関する検討会」です。
2026年9月4日に第3号制度の検討会がスタート
厚生労働省の公式議事録によると、第1回検討会は2026年9月4日に開催されました。議題には、第3号被保険者制度を巡る現状や、第3号被保険者などに関する実態調査が含まれています。
議事録は2026年10月27日に公表されました。
検討会の冒頭では、厚生労働省の年金局長が制度の導入経緯を説明しています。1985年の年金制度改正で、第2号被保険者に扶養される配偶者にも本人名義の年金権を確立するため、第3号被保険者制度が導入されたことが改めて示されました。
同時に、女性の就業率上昇や共働き世帯の増加、働き方の多様化を踏まえ、働き方に中立的な年金制度を検討する必要性も説明されています。
さらに、2026年度中に第3号被保険者の実態調査を取りまとめ、課題を整理する方針が議事録に記されています。
2025年の年金制度改正法でも見直しが課題に
2025年6月13日には、年金制度改正法が成立しました。
この改正では、社会保険の適用拡大や遺族年金制度の見直し、在職老齢年金制度の変更などが盛り込まれています。
第3号被保険者制度についても、附則において制度のあり方を検討することが定められました。第3号被保険者の実情を調査研究し、国民的な議論に資する形で制度のあり方を検討するという方向性です。
また、社会保障改革に関する政策の骨子では、第3号制度の縮小に向けて、短時間労働者への被用者保険の適用拡大を進める方針も示されています。
第3号制度はいつ廃止されるのか?
現段階では、廃止時期を断定できる状況ではありません。
2026年9月に検討会が始まったことは、制度見直しが具体的な政策課題になっていることを示しています。しかし、検討会の設置は廃止決定を意味するものではありません。
今後は、実態調査の結果や社会保険の適用拡大の進み具合、子育てや介護などで働くことが難しい人への配慮を踏まえ、制度の縮小や見直しの方向性が議論されると考えられます。
したがって、「2026年に第3号制度が廃止された」「2027年から全員が保険料を払う」といった情報は、現時点の制度状況とは異なります。
【2028年の遺族厚生年金改正】専業主婦の老後はどう変わる?
第3号被保険者制度と並んで、専業主婦世帯が注目すべきなのが2028年4月に予定されている遺族厚生年金の改正です。
「専業主婦は自分で年金保険料を払わないうえ、配偶者が亡くなっても遺族年金を受け取れるのは不公平」という意見もあります。しかし、遺族厚生年金は単純に専業主婦だから支給されるものではありません。
亡くなった人の加入状況や保険料納付要件、遺族の範囲、生計維持関係など、法律上の条件を満たす必要があります。
2028年4月から何が変わる?
2025年の年金制度改正法により、遺族厚生年金の給付方法が見直されます。
大きな変更点は、子どものいない一定年齢の配偶者について、男女ともに原則5年間の有期給付を基本とする方向へ制度を変更することです。
これまでの遺族厚生年金は、年齢や性別によって受給条件や給付期間に違いがありました。今回の改正では、男女間の差を縮小し、就労による自立を支援する仕組みへと変更されます。
女性は全員が5年で打ち切られるわけではない
特に誤解されやすいのが、専業主婦を含む女性の遺族厚生年金が一律に5年間で終了するという情報です。
厚生労働省の説明では、2028年度末時点で40歳未満で、18歳年度末までの子どもがいない女性が、施行直後の主な対象となります。
20代の女性については、すでに原則5年間の有期給付が適用されています。今回、新たに対象となる30代女性は、厚生労働省の推計で年間約250人です。
一方、男性については、18歳年度末までの子どもがいない60歳未満の人が、新たに原則5年間の有期給付の対象となります。対象者は年間約1万6,000人と推計されています。
2028年改正の影響を受けない人
次の人は、今回の見直しによって給付内容に影響を受けないとされています。
- すでに遺族厚生年金を受給している人。
- 60歳以降に遺族厚生年金の受給権が発生する人。
- 18歳年度末までの子どもを養育している間の給付内容。
- 2028年度に40歳以上になる女性。
また、女性については激変緩和の観点から20年かけて段階的に施行する仕組みが採用されています。
5年間の給付が終了した後も受給できる場合がある
今回の改正では、5年間で必ずすべての支給が終了するわけではありません。
有期給付には加算措置が設けられ、給付額は現在の遺族厚生年金の約1.3倍になります。
さらに、5年間の給付終了後も、障害状態にある人や収入が十分でない人など、一定の条件に該当する場合には継続給付を受けられます。収入や年金額などに応じて支給額が調整され、最長で65歳到達まで継続される場合があります。
したがって、2028年の改正を「専業主婦の遺族年金がすべて廃止される」と理解するのは誤りです。
なお、この改正は遺族厚生年金の見直しであり、第3号被保険者としての老齢基礎年金の受給資格を直接廃止するものではありません。
【プロの結論】専業主婦の年金額の実態と今からできる老後対策
専業主婦の年金が有利に見えるのは、本人が直接保険料を支払わずに基礎年金を受け取れる仕組みがあるためです。
ただし、実際に受け取れる年金額には限界があります。第3号被保険者であれば厚生年金まで満額受け取れるわけではなく、基本的には老齢基礎年金が中心です。
2026年度の老齢基礎年金はいくら?
日本年金機構が公表している2026年度の老齢基礎年金の満額は、昭和31年4月2日以降生まれの場合、月額70,608円、年額847,300円です。
この金額は、20歳から60歳までの40年間、すべての加入期間について必要な条件を満たした場合の金額です。
第3号被保険者として過ごした期間は、保険料納付済期間として計算されるため、40年間の加入期間を満たせば、その期間も老齢基礎年金の満額計算に反映されます。
ただし、40年間ずっと専業主婦だった人が受け取れるのは、基本的にこの老齢基礎年金です。会社員として厚生年金に加入していた期間がなければ、給与に応じた老齢厚生年金は原則として上乗せされません。
月額約7万円という金額だけで生活費を賄うのは容易ではなく、住宅費や医療費、介護費用などを考慮すると、老後資金の準備が必要です。
第3号被保険者でも年金額が満額にならないケース
第3号被保険者になっていれば、誰でも自動的に満額の年金を受け取れるわけではありません。
例えば、20歳から60歳までの40年間のうち、第3号被保険者だった期間が25年間で、残りの期間に未納があれば、未納期間は年金額の計算に反映されません。
また、結婚前に会社員として働いていた期間や、離婚後に第1号被保険者となった期間なども含めて、加入記録全体を確認する必要があります。
離婚した場合も、第3号被保険者だった期間がすべて消えるわけではありません。年金分割の対象となる厚生年金記録と、本人の老齢基礎年金の加入記録は区別して考える必要があります。
専業主婦が今から取り組みたい4つの対策
第3号制度の将来が不透明な状況では、制度変更を待つよりも、自分の年金記録と家計の状況を確認しておくことが現実的です。
- 1. ねんきん定期便・ねんきんネットを確認する:これまでの加入期間や将来の年金見込額を把握する。第3号被保険者として登録されていない期間がないかも確認する。
- 2. 働き方を見直す:勤務時間や勤務先の条件によっては、厚生年金に加入することで将来の老齢厚生年金を増やせる。2026年10月の賃金要件撤廃も踏まえて検討する。
- 3. 生活防衛資金を確保する:配偶者の病気や死亡、離婚、収入減少などに備え、年金以外の貯蓄も準備する。
- 4. 私的年金や資産形成を検討する:iDeCoやNISAなどを活用し、公的年金だけに依存しない老後資金を形成する。
特に、長期間第3号被保険者として過ごしてきた人は、今後の働き方によって将来の年金額が変わる可能性があります。社会保険に加入して働くことは、短期的には保険料負担が発生しますが、老齢厚生年金の上乗せや、傷病手当金・出産手当金などの保障につながる場合があります。
一方、育児や介護、健康上の事情で働く時間を確保できない人にとっては、単純に就労を増やすことが最善とは限りません。制度の見直しでは、こうした事情への配慮も重要な論点になります。
【専業主婦年金ずるい】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:専業主婦は年金保険料を一切払わずに満額もらえるのですか?
A1:第3号被保険者として認定された期間は、本人が個別に国民年金保険料を納めなくても、保険料納付済期間として扱われます。ただし、満額を受け取るには原則40年間の加入期間が必要です。また、受け取れるのは基本的に老齢基礎年金であり、厚生年金が自動的に上乗せされるわけではありません。
Q2:第3号被保険者制度は2026年や2027年に廃止されますか?
A2:2026年10月29日時点で廃止日は決まっていません。2026年9月4日に厚生労働省の検討会が始まり、実態調査や制度のあり方について議論が進められています。廃止が正式決定したという情報はありません。
Q3:夫が自営業者の場合、専業主婦でも第3号被保険者になれますか?
A3:原則としてなれません。第3号被保険者になれるのは、厚生年金に加入する第2号被保険者に扶養されている配偶者です。自営業者は基本的に第1号被保険者となるため、配偶者も原則として第1号被保険者として国民年金保険料を負担します。
Q4:年収130万円未満なら必ず夫の扶養に入れますか?
A4:必ず入れるわけではありません。配偶者が厚生年金に加入していることや、生計維持関係などの条件を満たす必要があります。また、勤務先で社会保険の加入条件を満たす場合は、年収130万円未満でも本人が社会保険に加入することになります。
Q5:2028年の遺族厚生年金改正で専業主婦の遺族年金はなくなりますか?
A5:一律になくなるわけではありません。2028年4月から一定の子どものいない配偶者を対象に原則5年間の有期給付を基本とする仕組みへ変更されますが、対象年齢や段階的な施行、継続給付などの配慮措置があります。すでに受給している人など、影響を受けない人もいます。
Q6:共働き世帯と専業主婦世帯では、どちらが老後の年金で有利ですか?
A6:個々の給与や加入期間によって異なります。共働き世帯は夫婦それぞれが厚生年金に加入すれば、老齢基礎年金に加えて2人分の老齢厚生年金を積み上げられます。一方、専業主婦世帯は第3号被保険者の保険料を個別に負担する必要がありません。保険料負担と将来の受給額を世帯全体で比較することが大切です。
まとめ:専業主婦の年金はずるいのか、2026年以降の判断基準
専業主婦の年金が「ずるい」と言われる最大の理由は、第3号被保険者制度によって、本人が国民年金保険料を直接納めなくても老齢基礎年金を受け取れる点にあります。
特に、共働き世帯や自営業者世帯と比較すると、保険料負担に差があることは事実です。一方、第3号被保険者の年金財源は厚生年金制度全体で負担されており、専業主婦だけが社会保障制度から無償で利益を得ているという説明も正確ではありません。
2026年は第3号被保険者制度の見直しに向けた検討会が始まり、2026年度中の実態調査と課題整理が進められています。しかし、制度の廃止時期は未定です。
さらに、2028年4月には遺族厚生年金の見直しが予定されており、配偶者に万が一のことがあった場合の生活設計も見直す必要があります。
これから大切なのは、専業主婦か共働きかという立場だけで損得を判断するのではなく、本人の年金記録、世帯の保険料負担、老後の受給見込額、万が一の保障を総合的に把握することです。
第3号被保険者制度の今後の議論は、単なる専業主婦への優遇をなくすかどうかという問題ではありません。子育てや介護を担う人、働き方に制約がある人、共働きで保険料を負担する人、自営業者など、異なる生活環境の人たちが納得できる年金制度をどう構築するかという、日本の社会保障全体に関わる課題なのです。
主な公的根拠資料
- 厚生労働省「国民年金第3号被保険者制度等に関する検討会」および2026年9月4日第1回議事録
- 厚生労働省「年金制度の仕組みと考え方」
- 日本年金機構「2026年10月に社会保険の短時間労働者に係る賃金要件が撤廃されました」
- 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省「遺族厚生年金の見直しについて」
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
(出典: 専業 主婦 年金 ずるい(Yahoo!ニュース))